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『刃牙道』9巻 第78話「助言」の表現について

先日発売されたマンガ『刃牙道』の9巻がヤバかったので紹介。
そのエピソードは第78話「助言」。勇次郎に対して本部が助言する回である。
単行本化前からコラ化が止まらない神回として知られていたが、改めて読みなおしてもとんでもない回だったと思う。

一応内容を知らない人のためにWikipediaからあらすじを抜粋。

刃牙道のあらすじ
時系列は地上最強の親子喧嘩編の数か月後。名だたる格闘家たちを退屈が襲った。その退屈は地上最強の倅となった刃牙も例外ではなかった。
一方、東京スカイツリーの地下では宮本武蔵を復活させる計画が進行していた…。
グラップラー刃牙 - Wikipedia

まああらすじを読んだところで1ミリも理解できないと思うが……。

該当のシーンについて

高層マンションで邂逅する2人の格闘家、範馬勇次郎と本部以蔵。
現代に蘇った最強剣士・宮本武蔵に「逢いてぇ…」と震えながら口にする勇次郎に対して、本部が「悪いことは言わん 止めておけ」と口にした後のコマがこちら。

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※第9巻136ページより

!?

衝撃の8連コピペである。
そんな勇次郎が口にした「なんで?」というセリフ。
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俺こそなんで?と聞きたい。
その理由は
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だかららしい。

そのあとに続くのがこちら。
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今度は9連コピペ。白目やめろや。

コピペ表現について

当然のごとくこのコピペについてはTwitter2chで話題になったが、果たして我々は板垣先生の伝えたかったものを理解しきれているのだろうか。

レポート、プログラミング、マンガ。人はなぜコピペをするのか。普通に考えると楽をしたいからだと思う。
しかし、あの天下の板垣先生が自身の作品で手抜きをするはずがない。他の意図があるに違いない。

まっとうに解釈すると、本部が言ったことを理解できない勇次郎の心理描写と捉えるのが正しいのだと思う。
地球上最強の生物であるがゆえに、誰かに「守護られた」ことのない勇次郎。彼を「守護ろう」とする本部は理解しがたいのかもしれない。
その心理を描いたのがこのコピペなのだろう。確かに読んだ時に何が起きたのか理解できなかった。まさに勇次郎と同じ感覚を味わった。

さらに突っ込んだ解釈としては、このシーンをチャンピオンにぶっこんだ板垣恵介自身と、本部以蔵の同一視とも取れるかもしれない。
実際このシーンを読んで、「本部がついに言った!」という思いと「板垣先生がやりやがった!」という思いの両方に駆られたからだ。


範馬刃牙』以降はネタ的な要素が強い刃牙シリーズだが、ネタを提供するのも容易なことではないと思う。
なんだかんだ言って毎年ネタを提供してくれる板垣先生には頭が上がらない。