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映画『かぐや姫の物語』感想(ネタバレ含む)

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ジブリの新作映画、『かぐや姫の物語』、見てきました。

かぐや姫の物語 公式サイト
ストーリーとしては『竹取物語』をなぞった話で、日本国内の中学・高校に通っていたらどこかで出会っているであろう、次の文章
「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、讃岐の造となむいひける」
で始まります。まあなので、タイトルにネタバレ含むとか書いちゃってるけど、ネタバレもクソもありませんわな。
原作?との相違点で言うと、翁と嫗に山で育てられてる時に「捨丸」という青年と出会うところ、かぐや姫が地球に来た理由あたりが大きなところでしょうか。特に後者は、キャッチコピーである「姫の犯した罪と罰。」とも絡んできます。確かに、こういう理由で地球に来ることになったのであれば、原作では見えてこなかった彼女の心情の変化の理由が上手く説明できるよなあと思いました。他にも色々脚色されてたりするんだろうけど、原作あんまり覚えてないからなあ。なんとなく帝ってもっと良い奴なイメージあったけど。あんなやな奴だっけ?


この作品、『風立ちぬ』の予告編で初めて知ったんですが、正直風立ちぬ本編よりも印象深かった記憶があります。その予告編に使われてたのが、かぐや姫が屋敷から十二単を脱ぎ散らかしながら都大路を走り抜けるシーン。今回見てもやっぱりすごい。アニメってこんな動きを描けるんだなあと思わされました。あと個人的にこれはヤバいって思ったのは、捨丸と飛び回るシーンと、ラストの月に行くところ。前者については、あんな平面的な背景と登場人物なのによくもまああんなに奥行きのある動きを描けるもんだというカンジ。後者は音楽が良かった。製作期間8年、制作費50億円かかってるだけありますね。


全体を通しての感想としてはやや長いなというのが第一にあります。137分もありますからねえ。最初の方の姫が成長していくところは正直退屈だなあと思いながら見てました。とはいえ、山での生活をじっくり描いておかないと、かぐや姫が感じた生きる実感云々の話の重みがなくなってくるからしょうがないんですけども。
ただそれでも良作であるのは間違いないかと。特にこの独特な高畑勲的タッチは、この作品の世界観にめちゃくちゃ合ってるんですよねえ。こうやって描かれるために竹取物語って存在してたんじゃないかって思えるほど。むしろ『ホーホケキョ となりの山田くん』とはなんだったのか。
本人も映画公式サイトで「いわゆる今日性があるのかどうか、じつのところ、私にはまったくわかりません」って触れている通り、確かに本作はあまり今の社会に対して何か直接訴えかけるようなメッセージ性は強くありません。最初に触れた2点以外はわりと原作に忠実な作品だったのですが、もしかしたら「女性にとっての幸せとは?」みたいな方向に振り切ることもできたのかもしれません。が、1000年以上も愛されてきた作品には、家族愛やら悩みやら別れの悲しみやらと、人が生きる上で普遍的な部分が色々あります。その普遍性は、この「かぐや姫の物語」の中にも流れているようなそんな気がしました。

以上が僕の感想です。


おまけ
↓登場人物がなんとなく諸星大二郎の描くキャラクターっぽい
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かぐや姫の物語 (角川文庫)

かぐや姫の物語 (角川文庫)