第33回高等学校クイズ選手権
さて、今年の高校生クイズは今週の9月13日(金)21時から放送されるわけですが、こんな記事が挙がってました。
❏ 「高校生クイズ」開成、灘が予選敗退 知力から「体力、チームワーク」重視が影響: J-CAST ニュース
ほー。最近の知力偏重型をやめて古き良き高校生クイズに戻るみたいですね。いわゆる「知力・体力・時の運」的な(記事には知力・体力・チームワークとありますが)方向になったようです。
まあ公式サイトでも、「昨年までの数年間、「知」の熱〜い戦いを繰り広げてきた高校生クイズ。 今年は趣を変えて、いろんな才能で日本一になれる青春全開のクイズ形式で君たちの参加を待っています!」って事前にアナウンスがあったのでなんとなくは知ってたんですが。
そこで、知力偏重型の高校生クイズとそれ以前の高校生クイズのどちらでも全国に進んだことがある人間として思ったことを書いてみます。
高校生クイズはいつから変わったのか
現行の知力偏重型の高校生クイズに変わったのは第28回、2008年の大会からですね。地方大会はわりとそれまでと同じだったのに(ペーパーテストが始まるなど、多少片鱗は見せてましたが)、全国になると急に「カンチェンジュンガ」とか「マルタ・ゲネンゲル」とかを答えさせたりしてなんだこれみたいになってざわついた記憶があります。
前出の記事に“「知力の甲子園」出場を目指してきた現役高校生が不憫との声”とか書かれてましたが、何も言わずに難しい問題出して地上波で恥かかせた28回に比べれば、事前にアナウンスしてるだけ今年はマシといえるかもしれません。
ちなみにその前の2007年は浦和高校の「らき☆すた」やラ・サールの木原くんのリアクションで盛り上がった年ですね。「らき☆すた」はニコニコとかでめっちゃMAD素材にされてました。この年まではラフティングをやったりと、オール室内ロケの最近の形式とは雰囲気が全然違ってましたね。
そして2008年から2012年までは知力偏重型の大会が続いてたわけです。
その間は全国レベルの超有名進学校しか相手にされない雰囲気がありました。仮に中堅校が出ても基本テレビで取り上げられるのは灘とか開成とかラ・サールとかばっかりで、その他の高校はほとんどオンエアに映ることはありませんでした。まあそっちの方が視聴率は取れるんでしょうけど。
参加者数
ところで、そうした大会の変化に対して参加者数はどのように変化してきたのでしょうか。
以下は、2005年から2012年までの関東大会の出場者数の推移です。
2005年 3972チーム(11916人)
2006年 2168チーム(6504人)
2007年 2374チーム(7122人)
2008年はデータがありませんでした
2009年 1378チーム(4134人)
2010年 1402チーム(4206人)
2011年 1753チーム(5259人)
2012年 1404チーム(4212人)
出展:❏ 高校生クイズWEB Come on a Fire!!2013 -高校生クイズ総合情報サイト-
元々の減少傾向に、2008年をきっかけにガクっと減ったものの、下げ止まったという形でしょうか。ただ、これは関東大会のデータなので、まだマシな方かと思われます。というのも、関東は他の地方に比べて高校にクイズ研究会があるところが多く、知識偏重型の方がむしろありがたいという層が一定数いるので。
逆に地方の高校はあまりクイズ研究会が無く、(東北とかほとんど無かったんじゃないでしょうか)そういったところでは近年の傾向は中々受けいられないような気がします。
今回の原点回帰からは、参加者数を以前のように増やしたい日テレ側の思惑が見受けられます。確かに、かつての形式のほうが大多数の高校生には受け入れられるような気がしますし。
あ、あと(一部の)高校生が答えられるレベルで、一般視聴者が見て「なんだこれ!?」ってなるような問題がもう作れないとかもあるんじゃないでしょうか。
「知力・体力・時の運」or「知力の甲子園」
では高校生クイズは「知力・体力・時の運」と「知力の甲子園」のどっちであるべきなのでしょうか?
個人的にはどちらにも良い所はあると考えてます。ですが、やはり高校生クイズは「知力・体力・時の運(チームワーク)」を競うものであって欲しいなとも思ってます。
なぜかというと、知力を競う場というのは他にもあるからです。上のほうに“「知力の甲子園」出場を目指してきた現役高校生が不憫との声”とか書いてますが、全然不憫じゃないと思うんですよね。だってクイズ界的には高校生クイズで優勝するよりもabcや高校生オープン(この辺はググって下さい)とかで活躍するほうが名誉なことでしょうし。つまり、ガチのクイズをやりたければ場は用意されてるわけです。
一方、高校生クイズは一般の高校生がテレビに映ったり、芸能人と直接会話できたりする数少ない機会という側面もあるわけです。こういった番組は昨今どんどん減っているような気がします。
そういう意味では、高校生クイズくらいはもっと普通の高校生が参加できるような番組であって欲しいなというのが僕の願いです。
また、クイズ番組全体の潮流として、2008年頃っつーとヘキサゴンとかがブームでおバカなクイズ番組が人気だったというのがありました。それに対してのアンチテーゼだったのが28回以降の高校生クイズだったわけなんですが、最近はブレインワールドカップやら頭脳王やらクイズ神やらで難問系のクイズ番組が増えてきたので、そういうクイズ番組としての役割は終わったんじゃないでしょうか。
繰り返しますが、本来の高校生クイズは「知力・体力・時の運(チームワーク)」を競うものであって欲しいなと思います。一方で、非難する人も多いですが最近の知力の甲子園としての高校生クイズにも一定の役割はあったのではないか、というのが僕の意見です。
おまけ
ちなみにそれまでとガラッと変わった第28回の放送後にはこんな記事も書かれてました。
❏ 【トレビアン】「高校生クイズ」で出演者怒り爆発! - ライブドアニュース
・テーマ曲「Hollywood」が流れない
・地区予選の紹介が殆ど無かった
・本戦(=全国大会)の敗者復活一切無し(カットされたという説も)
・本戦1回戦で足を切った数が過去最高レベル
・意表を付いた様な奇問・珍問や捻ったクイズ形式が全く無し
・特定の高校(優勝候補や学歴が高い高校)だけを採り上げて、他の全国大会に出場した高校は一切無視
・高校生1年で習わないような問題があった(これは2ch実況で指摘されていました)
・オールスタジオ収録
・タレントや有名人を大量に呼ぶが、コメントあまり無し(全く無い人も居た)
・問題の出題を一部カット(アレだけ事前に煽ったFBIからの出題でさえも)
・司会ラルフ鈴木が空気(オリラジに至ってはOP以外居たのかどうか)
・エンディングで地区大会や本戦を振り返るのも一瞬だけ
ほぼ合ってますね。
・司会ラルフ鈴木が空気(オリラジに至ってはOP以外居たのかどうか)
オリラジずっと居たわ!空気だったけどな!
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